いさぢちんメモ

d.hatena.ne.jp/mosshm/より移行。

南伊豆 吉田 白鳥神社

立派なビャクシンがあるという話を聞きつけ、子浦へ行ったついでに、近くにある吉田の白鳥神社へと行ってきました。
場所は子浦からマーガレットライン(国道136号)を下田方面へ向かい、妻良トンネルを抜けてすぐを右へ入った先。

このあたり。

白鳥神社といえば、白鳥となって飛び立ったヤマトタケルの伝説にちなみ、日本各地に日本武尊を祭神として祀る神社が存在しますが、そのうちの一社でしょう。現地には解説や由来の書かれた看板はなく、頼りになるのは南伊豆町のウェブサイトのみ。
それによると

日本武尊と弟橘姫命を神様として祭ってあり、「航海安全の神」「安産の神」(海の安全や子どもがぶじさずかるようにお願いするお宮)として知られています。ここでは、安産をお祈りするとき、夫婦で「おみくじ」を引き、ぶじに安産を終えた夫婦は小穴を開いた「ひしゃく」と「麻ひも」を持ってお宮にお礼のお参りをするといった、いっぷう変わったならわしがあります。

http://www.town.minamiizu.shizuoka.jp/form1.php?pid=204

とあるように、海辺の神社らしく航海安全祈願として、尊が海神の怒りを招き海が荒れた際に入水して怒りを鎮めたという伝説からか、弟橘姫も祀られているようです。ところで、現地で穴開け柄杓をみたときに「きっとこれは航行安全祈願のために奉納しているに違いない」とか思ってしまったわけですが、航行安全は合ってましたが柄杓の方じゃなかったですね……。というかそれ船幽霊からの連想だ。
さて、この白鳥神社は特別観光向きの場所でもなく、南伊豆のハイキングコースの一部になっていたりビャクシンが県の天然記念物に指定されていなければ、きっと行こうとも思わなかったかもしれません。しかし、そういったところだけに、とても雰囲気の良い神社でありました。

ハイキングコースとは名ばかりの草むらをかき分けて進んだ先、突如開けた場所に出たと思ったら、眼前にはこんもりとした社叢が。左に見えるビャクシンの巨木が遠目からでも存在を主張しているかのように見えます。

案内板らしきものがなかったので「たぶん」ですが、この登り口にあるひときわ立派な樹木が樹齢800年、県の天然記念物に指定されたビャクシンでしょうか。奇怪な樹形と鳥居との絶妙な取り合わせが、異様かつ厳かな雰囲気を醸し出しています。

ほんと見事な樹形です。

社殿はこぢんまりとして派手さはありませんが、掛けられた麻紐と柄杓が良い味出してます。
(柄杓の写真も撮ったはずなのに帰宅してから確認したら見当たらなかった。残念。)


欄間の彫刻や木鼻も派手さはなく落ち着いた装い。
木鼻といっても頭貫の先端に装飾を施しているのではないようなので、木鼻とは呼ばないのかも。

なぜかクンシランが咲いてました。