いさぢちんメモ

d.hatena.ne.jp/mosshm/より移行。

アオイシロ プレイ記録

発売から2週間たったし、そろそろネタバレしてもいいかしらー。ということで、他所で書いていたプレイ日記をまとめて転載しとく。

5がつ17にち

  • 結末到達度25/56
    • HAPPY 2
    • NORMAL 8
    • BAD 15
  • とにかくバッドエンドが多い。
  • ルート封印のせいか、現状で進めないルートへ行ってNORMAL or BADということが多々あるような。
    • ナミはどう考えても後回しにしなきゃならんのだけど、なんとなく進めてたらルートに入っちゃって、そこでBADを量産。
      • グランドエンドの封印1が解除。って、まだHAPPYは保美と汀しか見てないんだけど。
    • コハク様のほうがナミより後回し、なのかな。
    • カヤルートの封印解除、ってのを2回ぐらい見てるんだけど、いまのところルートに入れず。
      • 顔ぶれを見るに、グランドエンド1とやらに進める前にカヤルートに行っておきたい。
  • ルートが違うと同一テキストが既読ではないってのは当然なんだけど、ちょっと使いまわしが多いな。
    • 個別ルートに入ると一本道なシナリオが多い昨今、ここまで複雑なフラグ管理を必要とするゲームは少ないからなぁ。
  • 既読判定とは別に、フラグ関連でどうも曖昧な部分がある。
    • この選択肢ではこんな話は聞いてないのに聞いたことになってる、とか。その話は昨日の夜聞いたよ? みたいなのとか。
      • 最もヒドいのは、葵先生をサクヤさんのところへ遊びに行かせないで先生の車で帰ってきたのに、次の場面ではタクシーで帰ってきた事になっている、とか。
  • テキストそのものと用語集、無駄な薀蓄は面白い。序盤は用語集で最新語が増える度に読んでたからなかなか進まなかった。
    • ギャルゲ的シナリオな部分よりも、伝奇モノとしてのテキストのほうが読んでて楽しい。というかHAPPY ENDにしても薄味すぎる。
    • グランドエンドってのがあるから個別ルートはおざなり、ってパターンかもしれないけど、それはちょっとな。

5がつ18にちのあさ

おはようございます。朝方までアオイシロをプレイしてました。

テキスト不整合、ルート違いでの既読判定、それから終盤になるほど走りすぎる展開、と。どう考えても時間がなかったんだなー、と思わずにはいられないちょっと残念な出来かもな。アカからの流れでプレイするのならお楽しみ要素もあるしシステム的に慣れているからいいのだけど、いきなりただのギャルゲーマーに勧めるのはちと辛い作品かも。

  • 結末到達度33/56
    • HAPPY 3
    • NORMAL 8
    • BAD 22

カヤルートHAPPYを読んだ後で選択肢埋めでルート回収したら全部BADだったってのはどうにもキツい。序盤選択肢の影響で埋まっていない部分もあるっぽいけど。カヤに関しては吸血なしでもHAPPYに到達できるみたい。その代わり汀から剣の話を訊いていなかったり、コハク様がバロールかもなんていう誤解を解いていないと死ぬ。あとオッサンに挑むと首が飛ぶ。この死にまくりっぷりはどうしてもアカの桂ちゃんを思い出してしまうな。いまのところ分岐でNORMALエンドがまったく見当たらないのが気になるんだけど、HAPPYからしてNORMALクラスのテキストだったのが、なんかこう淡白過ぎて欲求不満ぎみ。

繰り返しになるけど、テキスト濃度が序盤の濃さと比較して終盤薄すぎるのが非常に残念。

5がつ18にちのおひる

残すはグランドエンドのみっぽい。

  • 結末到達度44/56
    • HAPPY 5
    • NORMAL 11
    • BAD 28

個別ルートの本命っぽいナミとコハクのルートもこれといった盛り上がり部分に欠け、ラスト付近では選択肢一つ違えただけで味気ないBADへ直行ってのがなんともぞんざい。アカのようなBAD,NORMALでも赤い維斗とか鬼切りの鬼ような印象深いテキストは存在せず、たださっくり死んでたり未解決のままなんとなーく終了、みたいなエンディングばかり。

ナミルートの見どころは3P吸血、コハク様ルートでは授乳吸血か。そのへんばかりが強調されている、にも関わらず吸血シーンにおいては血流の描写に乏しく、即物的な雰囲気すら感じてしまう。なんだろうな、なんていうかパートナーへの愛情が薄いんだよな。

カヤなら頑張ればユメイさんなみに変態的な描写も可能だったのでは、とか思ってしまうのだけど、もっとも絆の強いカヤでさえあの始末。もうちょっとこうなんとか各キャラクターへ魅力を感じさせるようにするべきではなかったか。

アカイイト好きだからプレイしていられるけど、これが初見だったら確実に積んでるかも。

5がつ18にちのよる

グランド終了。
結末到達度はHAPPY+1だけ。どうもナミのBADルートだと思ってたところがグランドだったらしい。上で書いたナミルートの3Pはグランドだったか。いまいち全体像が把握できてないんだけど、要所でセーブは残してあるので後でゆっくり確認作業をしようかと思う。

分岐図を見ると、たぶん保美ルートでBADの取りこぼしが多そう。一番初めに入ったルートだったから、そのままHAPPYだけ見て終了しちゃってたか。それと、グランドの導入はナミと同一っぽいんだけど、ナミルート列の上の方がまったく埋まっていないので、たぶんもっと序盤でナミルートもしくはそこから保美ルートへ分岐するのかも。

5がつ20にち

全エンディング踏破
56あるエンディングのほとんどが、おざなりな死亡BADと帰還NORMALで埋め尽くされていて、前作アカイイトのような居た堪れない悲劇的なBAD(「赤い維斗」みたいな。)や妄想をかき立てるNORMALエンディング(「やりたい放題好き放題」的な。)が皆無だったのがとても残念。HAPPYエンドにしても、なんかこうもう一歩足りないようで些か欲求不満ぎみなのですが、ここはアレか、妄想力を全開にしてあることないこと想像しまくっちゃって下さいなのか。にしても、コハク様HAPPYなんて前述した「やりたい放題好き放題」に近いし、全体的にシナリオの質は下がっていると言わざるを得ない。あえて感じ入ったエンディングを挙げるとするなら、やすみんノーマルの「あなたの形の心の隙間」くらい。

そんなわけで、全エンディングを埋めるために、未選択のルートを潰しまくりでした。明らかに地雷だろな選択肢を選んだりして、途中経過関係なしに一発でBAD直行なものは簡単に埋められるのだけど、序盤の好感度に関係して終盤になってルート違いになるエンディングがなかなか埋まらず、結果最後に残ったのは2つ。この2つだけで1時間くらい悩んだ。

一つは保美ノーマル派生BADの「前門の虎 後門の艮」。タイプミスじゃなくて「うしとら」だから作中的にはこの字なんですが、えっと、これ終盤で保美を蜘蛛討ちに依らせてナミを連れていかないルート、ノーマルや牛飲と同一ルートだけど摩多牟を使役するルート前でBADにならないといけない。つまり序盤で好感度を上げていてはいけない。しかし、序盤は扱い次第では簡単に吸精BAD直行なので、吸精回避した上で適当に保美を邪険にしなければならない。このあたりのさじ加減が面倒。えっと、とりあえず吸精回避は「水着を買う」ことと「和尚に相談」する、それから「汀と仕合う」あたりがキーだと思われる。

もう一つ、グランドルートで二回目の踏み石で摩多牟召喚せず溺れ死ぬ「嵐の中を越えていく」BAD。これも結論としては序盤でナミを適当に邪険に扱う必要がある。こちらは保美ほど面倒ではないけれど、下手をすると肝試しイベント抜けられず河童に喰われるので、そのあたりの条件がよくわからん。とりあえず2日目の夜は一緒に寝ることと海には行っておいた良さげ。海水浴へ行かないと商店街買い物イベントになるんだけど、ここでバロール様と出会うのはあまり後には影響していないっぽいんだよな。

そんな感じで、ただエンディングを埋めるだけの作業プレイは終了。

スタッフロールのアレ

2006年の秋くらいに行われたアオイシロ製品化に関するアンケートに回答した人を、サポーターとしてスタッフロールに掲載するという企画がありまして、それの確認。

コハク様

全ED埋めてもまだしつこくプレイしているわけですが、初回プレイ時にかなり流し読み気味だったんだな、とちょっとヘコんだ。なんていうか、話の筋は追えていても細かい部分までしっかりと読めてない、というか。

そんなわけで、さっきまで保美ルートのHAPPY ENDとその派生BAD,NORMALを再読していたのだけど、「剣難」あたりでコハク様の刀が吠丸だと明言されていて、ここでまず気付けよ、と。そりゃ見た目からもしかして、つーかもしかしなくてもアレだろ、という予想は立ってたけど、初めてのプレイで行き付くであろう保美ルートですでに答えは出てたんだな。さらに蜘蛛討ちが切断されるところで、「『討ち』では『切り』に〜」とヒントまで出してるし、遡って2日目の朝には蜘蛛討ちに関連して「髭切」「膝丸」の話を長々と語ってたんだった。そのときは脱線で済ましてたけど、しっかりとした伏線だったわけだ。

コハク様ルートではさらに、ネタばらしで八郎という兄の存在、クロウ様という呼び名、たびたび入れ替わっていたとの発言などなど。オニワカに関しては、馬瓏琉がコハク様を呼ぶときの名が虎姫で、牛若+虎姫=艮=鬼というあたりの仕掛けには正直グッときた。

義経の入れ替わりネタでまず思い浮かんだのが修羅の刻だったり、実は女の子という設定で義経の娘が主人公だった吉岡平の源平魔境を思い浮かべてしまうあたり、なんとなく自分の無教養っぷりがイヤになってくる。と、そんなわけで、さらりと流し読みしてるから気付かないだけで、もっと面白げなネタがたくさん仕掛けられてるのかもしれないと思うと、もっと真剣に読みこみたくなるから不思議だ。にしても、鬼一法眼=馬瓏琉=バロールとかそのあたりまで行くと、ケルト神話なんてまったく分からねーってな具合だし、そもそもネタに気付けない事のほうが多いだろうなぁ。

昔話と安姫様

磯良温羅が《剣》を持ち出して卯良島へ渡り、門を開いて海神を呼び出す。疫病飢饉その他もろもろの現象はこれが原因としていいのだろうか。んで、その2年後に「龍神様のお告げ」で姫が龍神様を祭って疫病がおさまったとする表現は、海神を扱いきれなくなった磯良温羅が《剣》を放棄して何らかの事情により《剣》が大王の元へ戻る。そして大王の姫が《剣》を使い門を閉じた、と。その後、姫の実弟である皇子が踏み石を渡り鬼退治をするのだけど、ここでも神の剣をもってして鬼王(磯良温羅)の首を斬っているので、ここにおける剣も《剣》なんだろうな。

と、ここまでが作中冒頭に昔話として語られている2100年前の鬼退治の概要だと思う。大王の一族だから《剣》を扱えるという前提もあることだし。

そんなわけで、いまだに曖昧でよく分かっていない昔話のあたりを補強するために、コハク様HAPPYルートを再読したり、ついでにヤスヒメサマの回想まわりを探して読んだりしてたわけですが……ルート封印があるから初回プレイ時の進行ルートは限られるのだけど、その順で行くとまず最初にヤスヒメサマ関係で重要なネタバレがあるのは保美ルートのBADエンド、「彼女の内に在る《力》」。

  • ヤスヒメサマは、クロウサマに連れられて竜宮に《剣》を封じた。
  • 15歳になってから、ざんの肉を食べて不死を得、クロウサマを追った。
  • 100年生きる前に卯良島に留められた。

とある。

次にカヤルート「《剣》の記憶」。ここのネタバレはかなり決定的なんだけど、壇ノ浦で安徳天皇が祖母と共に身投げをするシーンと酷似した描写がなされる。ただし、

  • 祖母の持つ《剣》は紛い物。
  • 「わたし」は《剣》を持って鬼とともに逃れる。
  • 鬼は、彼らの仇敵を異母兄とよんでいる。

と、つまりは安徳天皇=安姫様は祖母と《剣》とともに身投げをしたように見せかけ、本物の《剣》を持って鬼=義経と逃れたという事になっている。*1なるほど、勾玉は引き上げられたが宝剣は見つかっていないと言われているけれど、そこに繋げてるんだな。ちなみに、コハク様ルートの4日目「竜宮の夢」において、コハクはヤスヒメサマに対して「トキヒト」と呼びかけていることからも、安姫様は安徳天皇ということで確定している。蛇足だけど、クロウサマが《剣》を持ち込むために頼った竜宮の叔父は、「上皇側について父と戦い、落ちのびた」とあるので、為朝だと思われる。琉球へ流れて琉球王朝の始祖になったとかって伝説があったか。あとで調べる。*2

ネタバレ順としては前後するけど、これらによって、

  • 安姫様は入水せず《剣》と共にクロウサマに連れられて琉球へ渡り、そこで《剣》を封じた(守天党の起こり)。
  • 琉球を発ったクロウサマを追うため、ざんの肉を食べ不死を得る。
  • 卯良島の祭儀を目にし、正しい祭儀を伝えたが、当時の根方の祭司によって留めおかれる。

というあたりが、鬼退治後日談のヤスヒメサマ伝説への流れになっているっぽい。

ああ、書くの忘れたけど、当然の事ながら《剣》は天叢雲であり(というかコハク様ルートの最後でコハク様が明言してた。)、クロウクルウの分霊が天叢雲だとするならば、クロウクルウは八岐大蛇ということになる。水地(蛟)の民である馬瓏琉、バロール関係から連想するクロウ・クルワッハ、龍神とも掛けてるのか。

アオイシロ ビジュアル・ガイドブック (JIVE FAN BOOK SERIES)

アオイシロ ビジュアル・ガイドブック (JIVE FAN BOOK SERIES)

*1:実は女の子だった安徳帝義経が助ける、という筋書きは「義経千本桜」が元ネタみたい。

*2:椿説弓張月