いさぢちんメモ

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学校の階段

学校の階段 (ファミ通文庫)

学校の階段 (ファミ通文庫)

学校の階段2 (ファミ通文庫)

学校の階段2 (ファミ通文庫)

これはよかった。最近は話題作のみをテキトーに読んでいるだけで、あまり他の分野を開拓しようとかって気にならなかったんだけど、どっかでオススメされてて、それがなんとなく頭の隅に残ってて、それを本屋さんでなんとなく思い出して――と、あまりにもはっきりとしない動機で手に取ったわりに、超大当たりだったのは久しぶり。

平々凡々とした何も非日常の香りがしない物語に惹かれる理由ってのは、大抵が郷愁というか懐かしさみたいなものにあるんじゃないかと思ってるんだけど、これもその例に漏れず、学生時代に理解者が少ない下らないことに情熱を傾けてた、そんな事を思い出させてくれるからなんじゃないだろうか、と。階段レースじゃないけど、例えば学校の廊下を1フロア端から端まで往復してくるレースとか、そんな事を熱心にやってた事もあるし、それが風紀的にどうよって事は分かっていても止められないものがあるって気持ちは理解しやすい。

そんな、分かるような分からないような階段レースにかける情熱? みたいなのが熱いってところにこの作品の面白さがあるんだけど、2巻からはそれに加えてキャラの魅力が増大しているように思える。それは内面や過去を語ることで補強されいる部分もあるけれど、これによってはっきりとキャラクター像が浮かび上がってきて、ようやくそのキャラに"近付けた"と感じさせてくれる。主人公の視点と、読者の視点が上手い具合に同調した、と思わせてくれるんだよなぁ。

あざとい萌えがないわけじゃない。というか従姉妹の4姉妹はsneg?ではあるけれど、添え物程度の扱いでしかなく、無理矢理というくらいにしか物語に絡んでこない。もうちょっと深く掘り下げて、というか活躍させて主人公に絡ませて欲しいと思うのは四女の美冬姉さんだけど、2巻の表紙のわりにほとんど出番がないのは何故だろう。
2巻ラストが大団円で終わっているので続刊が期待できない気がするんだけど、これで終わらないでもっと他のキャラで俺を魅せてほしいとか本気で思った。